母と娘　戦いの記録

何度か書いているが、私は実家が嫌いだ。

これすごい困るのよね。
なんだか極悪人みたいに聞こえるらしく。触れないでって感じ。
別に虐待されていたってわけじゃないんだけどね。

なんていうのかな。
大雑把に言うと、価値観が合わないっていうの？
でも世代が違うんだから価値観が合わないのは割と当然の話で、それが大半だよね、きっと。だけど実家が嫌いっていう人は大半とは言えないんだよね。

なんでかなあ。

価値観が合わないでしょ、
だから話がつまらないでしょ、
家の中が雑然としていて居心地が悪いでしょ、
両親の夫婦仲が悪くて居心地が悪いでしょ、
ああでも一番嫌なのはプライバシーがない事と、それに関わってくるけど無理やり支配下におかれているような感覚だな。

価値観合わなくても子供時代は当然親の価値観に合わせざるをえないじゃない。服のセンスとか、生活スタイルとか時間帯とか。だから私も我慢していたわけ。「大人になるまでの辛抱だ」と。
夕食後も母親の話し相手になってやったりとか。基本的に毎日。母親からの楽しい話題は全然なくて、基本的に私自身の話を面白おかしく聞かせてやらなくてはならないから、はっきりいって私自身はつまらないし、すっごい疲れるんだけどさ。思春期の女の子なんだから自分のことなんかできるだけ秘密にしたい。でも夜部屋にやってきて話をしたがるんだよね。やらないと拗ねて家の雰囲気なおさら悪くなるし、変化の原因を探って私への詮索が激しくなるから我慢してやるわけ。
でも親にとっては我慢しているなんて理解の外よ。
もうね、父母は同居して以来祖父祖母が他界するまでの20年近く、険悪な口論がほぼ毎日で、子供にとってもとても居心地が悪いわけ。「早くこんな家出てやる」と。それだけを毎日毎日念じて生活していたわけ。
でも東京だったから、大学進学や就職を機にってわけにもいかずきっかけっていうのが難しく、素敵な白馬の王子様もなかなか現れず。
いい年になった頃、「見合いしたいんだけど」と母親に自分から持ちかけました！
そんな娘なかなかいないよね？
ところがなんか母親の反応が悪い。
全然動きがない。私からの条件は「インテリがいい。学校の先生とか」。これだけだ。世の中学校の先生って、失礼ながらなかなか結婚できずにいる人も、多いはずよねえ？新聞とかに載ってたよ？それなのに数ヶ月たってもまったく全然動いてくれない。
変だなあと思っていた頃、冗談抜きで隙間風が入ってくるような実家のぼろ家がいよいよ改築しないともたないことが発覚し、一部修復だけでも100万以上かかるという話が出た時、
「で、どうするの？」と母に聞いたところ、
「修復するしかないでしょ？」
「うーん、でもここぼろなんだから、いっそ建て直した方がいいんじゃない？だって100万かけても数年しかもたないって言われたんでしょ？」
「でもね、立て直すとしたら、お父さんはもう年だからローンはほとんど組めないの、だからね」
そこで驚愕の発言。
「たんぽぽは働いているんだから、建て直しのローンは　た　ん　ぽ　ぽ　が　組　ん　で　、たんぽぽは裏庭にたんぽぽ用の小さな家を作ってそこで暮らせばどうかと思って」
そ　の　時　の　衝　撃　は　ど　れ　ほ　ど　の　も　の　か　分　か　っ　て　い　だ　た　け　る　で　し　ょ　う　か　？

一生独身で面倒を見ろってか！！
だから見合いも探そうとしないのか！
さすがに怒りましたとも。
同居して欲しいから親が建築費用を出すという話ならよく聞くけど、そんなひどい話は聞いたことがない、と。
いや、あるか。うちの祖父はそうだった・・・。
不幸の輪廻が永遠と続くのかよ！

全ての謎がとけた・・・。

仕方が無いから、結婚相手はがんばって自分で探しましたよ。自分に合いそうな人を。おかげ様で今は幸せだからいいんだけどさ。
それで結婚するって話を母にしたら、なんて言ったと思います？
「本当に結婚するの。まあ・・・。たんぽぽ、よくお父さんとお母さんを見ていて結婚する気になったわね・・・」

ええでも、だからこそ実家から離れたかったって言うか。翌檜実家のご両親は自分では特別仲の良い夫婦じゃないって言っているけど、でもとってもいい感じのご夫婦です。
翌檜実家みたいな家庭を目指していきたいと思います。