たんぽぽ的皮算用

2005年4月13日
引っ越し騒動がひと段落した今(いや、正確にはまだやらなきゃいけないことはいっぱい
あるんだけど、緊急な用はこなしたということで)、またもや私の頭の中は帰国後の算段
で占められるようになってきた。

帰ったらどうしようかなー。
あれもしよう、これもしよう、これは今後は習慣化していこう、友達とも連絡をつけて、
今後は季節のご挨拶なんかも細やかに・・・などと皮算用状態でなになにをやろう!、と
考えている一方で、当然反対にこれは切り捨てよう、と密かに心づもりしているものもあ
る。

さんざん在独日本人の中の、偏ったドイツかぶれ連中をくそみそに言ってきた私だが、帰
国後の生活基本スタイルは、ヨ ー ロ ッ パ か ぶ れ で押し通す心づもりであ
る。

なんていうのかな。ま、ヨーロッパ人どもの大ざっぱさというか傍若無人さ無礼さお行儀
の悪さなんかには辟易とさせられることも多いんだけどさ、一方で楽ちんなところもある
わけよ。日本はほら、他者に対する気遣いを強要されるところがあるじゃない。特に女性
はさ。
たとえばこっちでパーティーにおよばれされたとする。客の義務はただ一つ、 元 気 
に 機 嫌 良 く 楽 し く 過 ご す ことだけである。「何か手伝いましょう
か?」と尋ねなければならない義務はない。そして申し出た時には本心からやる気に満ち
ている時だけなので、その時は遠慮無く頼んで良いのだ。頼むことがあれば。しかしたい
ていの場合は準備も料理も単純なもの、招待者にとって負担にならないものばかりなので
手伝うことも実際何も無かったりする(ドイツでは。他のところは知らない)。
ところが日本の場合は、招待主の自宅に食事に招待されたら、女性たるもの絶対に一度は
手伝いを申し出ないといけない、そんな不文律があるじゃないですか!たとえ「うわー。
今日はちょっと疲れてて面倒臭いな」って時でも。それが礼儀っていうか。
その腹芸、もう忘れちゃいました・・・。
ていうか、ほんというと昔から得意じゃないねん!
そしてそれでもOKなところに慣れてしまった今や、もはやそんなの、
や る 気 ま る で な し 子 。
そして自分んち主催のホームパーティーでも、女 主 人 が 台 所 に こ も り っ ぱ な し に な る よ う な メ ニ ュ ー は お 断 り である。
私ねえ、あれ、すごい嫌なのねん。招待主が席外しっぱなしって。特に日本人ファミリーの集まりでは多いんだけど。いや昔はよかったんだと思うのよ、江戸時代とか明治時代とかは。その家の主人が客をもてなして妻は表に出ずに裏方に徹するってことでそれはそれで分業できていて。でも今は招待される方にも女性がいるわけだし、妻が裏にこもりっぱなしっていうわけにはいかないじゃん。パーティーに参加しつつ、ごちそうを次々出して行くって、は っ き り 言 っ て か な り 大 変 な の ね ん 。男の人は知らないかもしれないけど。で、大変なのを知っているからあまり頑張っている奥様を見ると「ああ申し訳ないな」と思ってしまうし。まあ日本の場合はそこで招待されている方が「手伝いましょうか」ってことでバランスがとれているのかもしれないけど、それより料理を簡略化する方がよっぽど合理的ってもんだ。
ま、基本は鍋だな。
洋行帰りってことでチーズフォンデュとかオイルフォンデュとかもいいだろう(人んちでしか食べたこと無いけど(笑))。あとは「飲みにいらっしゃいませんか?軽いおつまみ程度くらいしかお出しできませんが」ってことでほんとにちょこちょこおつまみを出すってことで。何を隠そう今現在家で採用しているのはこのおつまみスタイルである。クラッカーに色々のせたり、巻き寿司出したり、あとチーズの盛り合わせとかフルーツの盛り合わせとか。これは招待する側としては気軽にたくさんの人数を呼べるのでとてもおすすめなやり方であると自画自賛。

とにかく日本の特徴は何かというと、私は「他者に対する気遣い」だと思うし、それは確かに美点だと思うんだけど、これって時にその気がなくても「振り」だけはしなくちゃならないってことがあるじゃないですか。これが嫌なのねん。神経すり減るのねん。

これ、思い切って切り捨てようと思っているの。

夫にも話したけど「いいんじゃない?」ってことだったし。
幸い夫は研究職で、研究者って人に対する気遣いの足りない人が多いから(ええ、日本人でも。含夫)、この人たちとその家族とのおつきあいに関しては多分問題ない。夫の友達はほぼ全員研究者だからこれも問題はない。
てことは、あとは私自身の友達と、親戚か。
うーん・・・確かに私の友達の中には、日本的常識を厳格な行動規範としている人も、いるなあ・・・。いつか衝突しちゃうかな?
あと親戚・・・。これは・・・一層距離を置くようか?(笑)

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